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親と子どものためのADHDナビ

体験談

多動と不注意が混在するタイプのADHD

お薬も使うことで、自信を取り戻した Kくん(9歳)の場合

監修:こころとそだちのクリニック むすびめ 院長
田中 康雄 先生

Kくん(小学校3年生)は、授業中、周りの子にちょっかいを出したり、答えがわからないのに手をあげたり、いつも落ち着きがありません。忘れ物が多く、宿題もなかなか最後までできません。友達もできず、仲間外れにもなっているようでした。
こうしたお母さんからの情報や、面接時のKくんの様子、検査の結果などから総合的にみて、医師は、Kくんを「多動と不注意が混在するタイプのADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)」の可能性があると判断しました。

心配そうなお母さんに、医師は、「ADHDとは、医学的検査では異常が見つかりにくい脳の機能のアンバランスさに基づく発達障害です。ADHDのお子さんは、失敗が多く自信を失いがちです。Kくんが “ぼくは大丈夫” と自分に自信をもてるようになることですよ」と説明してくれました。

そして「Kくんに “ぼくもできるんだ” “やれるんだ” と感じてもらえるよう、学校や家庭での環境を整えるとともに、お薬を使ってみましょう。お薬を飲んだだけで問題解決できるものではありませんが、環境を整えることとの相互作用によって効果を発揮します。」といい、学校や家庭での生活の工夫についても具体的にアドバイスしてくれました。

学校での環境を整える工夫

環境を整えて、周りの人たちの理解を深めましょう。

  • 先生の指示が入りやすいように、先生の近くの席に座らせましょう。
  • ときどき声をかけ、注意をひきつけましょう。
  • 周りの生徒があおらないような、おとなしい児童で班を固めましょう。
  • 気が散りやすくなるので、窓際や廊下側に座らせるのは避けましょう。
家庭や日常生活での工夫

褒めてあげましょう。そして、認めてあげましょう。

  • 簡単な手順でも紙に書いてから取り組んだり、忘れないようにメモを取るように指導しましょう。
  • よくできた時はシールなどを貼って、できたことはほめてあげましょう。
  • いまはできなくても「次は大丈夫」と常に明るく前向きな姿勢をもちましょう。
  • 「だめ」という否定的なコメントはやめましょう。
  • どうしても注意をしなければならない時は、「〜するな」ではなく「〜をしよう!」と声をかけましょう。

そして、医師はKくんに、「これは、君がもっている本当の力が出せるようになる薬だよ。飲んで、君がもっていた力が出せるようになったかどうか、先生に教えてね。」と言って、お薬を手渡しました。

Kくんは、最初は毎日薬を飲むのがいやでしたが、「友達と仲よくしたい」という思いから服用を続けました。薬物治療を始めてからしばらくすると、Kくんは徐々に落ち着きを取りもどし、イライラすることが少なくなりました。授業にもクラスメイトに迷惑をかけることなく参加できるようになりました。少しずつできることが増えて、本来の明るい笑顔を見せるようになり、以前に比べると、宿題などの課題にも前向きに取り組むようになってきました。

田中先生からのコメント

ADHDのような発達障害は、3歳児健診では、“子どもらしさ”との判別が難しく、気づかれない、あるいは確定できないことが多くあります。

就学期の児童の環境調整には、学校の協力がとても重要です。そのためにも入学前の早めの段階で受診し、事前に学校へ協力を求めることが大変有用です。何か問題が起こってから打ち明けるよりも、事前に相談しておいたほうが、学校も必要な準備をすることができます。

ADHDのお子さんには、ほめること、認めることで本人が自信をもって生活できるよう、家庭だけでなく学校と連携して支援しましょう。学校生活を楽しく過ごせることでお子さんは自信をもつことができ、この体験が将来に向けて大きな財産となります。

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