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親と子どものためのADHDナビ

体験談

学習の困難を伴った不注意優勢タイプのADHD

治療とともに学習する姿勢を身につけ勉強が楽しくなってきた Aちゃん(7歳)の場合

監修:国立成育医療研究センター こころの診療部長
小枝 達也 先生

Aちゃん(小学校2年生)は、小さい頃からぼんやりしていることの多い子どもでした。
お母さんが呼びかけても気がつかなかったり、話をしていても途中から別のことを考えているようなときがたびたびありました。

聞き返しが多いので、耳の聞こえを心配したこともありました。
言葉が出てくるのも他の子より遅かったのですが、幼稚園では友達とも仲よく遊べていたので、特別問題があるようには思いませんでした。
小学校に入ると、Aちゃんは、授業中もボーッとしていることが多く、黒板の文字を授業時間中に写しきれません。読み書きが特に苦手で、忘れ物や宿題忘れが多いため、2年生になる頃には勉強についていけなくなってきました。勉強の遅れと授業中の態度を気にした担任の先生が受診を勧め、小児科訪問となりました。

病院でのADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)評価スケール(一例)では、「不注意」の項目にたくさん印がつきました。
また、検査用のもぐらたたきゲームでは、集中の持続が苦手であることがわかりました。

その他、さまざまな検査の結果、医師の診断は、「不注意優勢型のADHDがあり、学習に影響していると思われます。」とのことでした。
お母さんは、一瞬とまどいましたが、「みんなと一緒に勉強をがんばりたい。」という、Aちゃんの気持ちを聞いて、医師からのアドバイスを受け、お薬を試してみることにしました。そして、お薬と並行して、生活環境を整え、学校の課題がしっかりできるように見守っていくことにしました。

お母さんは、Aちゃんが自分で整理整頓しやすいように、教科書、道具類、おもちゃなどを種類別に収納できるように工夫しました。また、次の日の準備は必ず寝る前にするようにしました。宿題は時間がかかっても必ず最後までやるように、優しく促しました。

そして、学校の担任の先生に診断結果を伝え、学校での対応をお願いしました。
先生は、黒板にわかりやすく色分けして書き、できるだけ短い言葉で説明するよう心がけてくれました。また、段階を細かく分けて、できたことは褒めるようにしました。
Aちゃんは、次第に自信を取り戻し、授業もいきいきとした顔で聞いていることが多くなりました。学習する姿勢が身についてきたAちゃんは、今では自分から宿題を始めます。授業の内容がわかるようになって、学校へ行くのが楽しみになってきたようです。

Aちゃんからは、こんなうれしい言葉が聞けました。
「おくすりを飲み始めてから、先生の声がちゃんと聞こえるし、言っていることもわかるようになったよ。宿題もしてるから、授業もよくわかるもん。勉強がわかると学校ってずっと楽しいね。」

お母さんも、「勉強が難しくなる前に対策がとれてよかった。元気に学校に行く娘の姿を見ると本当にうれしい」と、早めに治療を始めることができたことを喜んでいます。

小枝先生からのコメント

Aちゃんのような不注意優勢タイプのADHDでは、幼児の頃からボーッとして上の空に見えることが多く、1つのことに集中し続けることができないなどの特徴がみられます。
不注意優勢型のADHDの場合、幼児の頃は生活上の“困り”があまりなく、“気づき”が遅れることが多いのですが、早期から服薬や環境調整を行いうまくやれる感覚をつかむことで、お薬からの卒業も比較的スムーズになります。

お母さんはお子さんが宿題をしている時に、隣についてせかしたりせずに、声の届く範囲で別のことをするなど適度な距離感で見守るのがよいでしょう。お子さんは近くに家族がいるだけで大きな励ましとなります。

学校は勉強だけでなく、集団行動・社会活動によって人付き合いや社会のルールを学ぶ場でもあります。たくさんのことを学ぶチャンスを生かせるように、ご家族、学校の先生が協力して、環境を整えてあげましょう。

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