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親と子どものためのADHDナビ

ADHDを学ぶ

ADHD治療のポイント

どんな治療法があるの?
主に「お薬による治療」と「心理社会的アプローチ」があります

ADHDの治療には大きくわけて、お薬による「薬物療法」と「心理社会的アプローチ」の2種類があります。治療に取り組んだからといってすぐに治るという病気ではありませんので、治療は治すことを目的とするのではなく、まずは、病気をもっていても健康な人と同じように日常生活や社会生活を送れるようになることを目指していきます。
あきらめずに根気よくケアを続けていけば、症状をコントロールでき、他の子どもたちと同じように日常生活、社会生活がおくれるようになります。その積み重ねで、本人の成長とともに病気が治る可能性もあります。
ADHDの治療においては、その子の症状をよく見て、いかに有効な治療プログラムを組むかが重要なカギとなります。よって、本人とご家族、医師、臨床心理士、ソーシャルワーカー、担任教師や養護教諭などの学校関係者など、治療に携わるさまざまな人々が協力して、連携して取り組むことがとても大切になります。

お薬による治療

ADHDの治療において、薬物療法は症状のコントロールに効果的で、本人の行動や思考、学習に対する姿勢や人とのかかわり方などに変化があらわれてきます。行動療法や心理療法などの「心理社会的アプローチ」を進めるうえでも、薬物療法を同時に行うことは非常に有用です。お薬の力を利用してADHDの主な症状をコントロールしながら、日常生活における適応能力の支援や「心理社会的アプローチ」に取り組み、問題となる行動を一つ一つ改善していくことが重要です。

ADHDの治療に用いるお薬

メチルフェニデート徐放錠、アトモキセチン

ADHDでは、脳内の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンの作用が不足気味であるといわれています。そのためお薬は、不足している神経伝達物質を増やす働きのあるメチルフェニデート徐放錠やアトモキセチンが主に用いられます。どちらもADHDの治療薬として認められたお薬で、不注意、多動性、衝動性などのADHDの主な症状を改善する効果があります。
ADHDの標準的な治療薬であるメチルフェニデート徐放錠やアトモキセチンは、放出されたドパミンやノルアドレナリンが再び取り込まれるのを抑制し、受容体に結合しやすくします。このように、神経伝達物質の働きを活性化することで情報伝達がスムーズになり、ADHDの症状(不注意、多動性、衝動性)が改善されると考えられています。ただし、はっきりとしたメカニズムが解明されているわけではありません。

医師の指示通りにきちんと服用しましょう

メチルフェニデート徐放錠とアトモキセチンは、1日に飲む回数や効果の発現にかかる時間など種々に異なる点があります。
また、お子さんそれぞれに最適なお薬の量が異なりますので、お薬の特性を正しく理解し、医師から処方された治療薬を指示通りにきちんと服用してください。

その他のお薬

ADHDのお子さんの中には、ADHD治療薬(メチルフェニデート徐放錠、アトモキセチン)で効果が認められないことがあります。効果がみられない場合には、症状にあわせて、気分安定剤、抗精神病薬、抗うつ薬などが用いられます。気分安定薬や抗精神病薬は、興奮や混乱状態、反抗的言動や衝動性を改善するために用いられることがあり、抗うつ薬は、特に不安とうつ症状を合併している場合に用いられることがあります。
これらのお薬も、ADHD治療薬と同様に医師の指示に従って正しく服用してください。

心理社会的アプローチ(行動療法・心理療法など)

本人へのアプローチ

ADHDの治療では、薬物療法で主症状を軽減させるだけでは十分ではありません。ADHDのお子さんは知能的には正常であっても、症状のために対人関係能力や社会性の部分が成長しにくいことが多いため、ADHDによる日常生活の困難さや発達の遅れを取り戻す「心理社会的アプローチ」がとても大切です。ADHDのお子さんにとって、対人関係能力や社会性は成長とともに自然に身についていくものではなく、意識して身につけるように周囲が支えながらトレーニングしていく必要があります。

「行動療法」~問題行動を改善・修正する

「行動療法」は、社会的な善悪を理解してもらい、正しい行動ができるように導いていくポピュラーな治療法です。本人が不適当な言動をしたときには、その都度どうすればよいのかを教え、正しい行動をしたときや物事を成しとげたときには、精一杯褒めて評価するといった形で、行動の改善・修正を図っていきます。行動療法には、本人の自信と意欲をもたせていく認知面の効果も期待できますから、実行機能の弱いADHDの子どもにはとても有効です。
行動療法は一般には医師と計画を立てて親や教師が実行するという形をとります。大切なことは、褒める行動の目標を、難しいものではなく、本人が少し努力すれば到達できるものすることです。「行動療法」では、焦らずに少しずつ目標を上げていけるよう、大人が辛抱強くお子さんの成長を見守る姿勢が大切です。

「ソーシャルスキル・トレーニング(SST)」~社会性を養う

ADHDのお子さんの多くは、友だちをつくるのが苦手です。「ソーシャルスキル・トレーニング(SST)」では、感情と行動をコントロールする術を身につけ、お友達との円滑な相互関係を保てるような基本的な社会的スキルを学びながら、日常生活の中でそれらのスキルをうまく使えるようにトレーニングしていきます。「行動療法」が主に個人療法であるのに対し、「SST」は遊びやゲームを取り入れながら、集団療法として行うことで効果を得やすい治療法です。
医療機関や教育機関のほか、家族会、NPOや発達障害者支援センター主催のものなど、SSTを受けられる場は少しずつ増えてきています。

「心理療法」~過去の失敗や将来の不安をケアする

ADHDのお子さんは失敗や挫折を経験していることが多いので、感情面・心理面に大きなダメージを抱えている場合があります。そうした部分をケアするうえで、「心理療法」は大きな役割を担っています。また、過去の失敗だけでなく、ADHDと診断された後の将来への不安を解消していくうえでも、また本人の自己評価を高めるという目的のためにも、認知療法的な要素も加味し、遊びや言葉を通して大人と子どもが交流する「心理療法」は意義深いものです。

ご家族のサポート

ADHDの治療において、養育者である家族や保護者の方の関わり方はとても重要です。ADHDのお子さんを抱える保護者は、多くの場合、子どもの問題行動に手を焼いているうえに、周囲の無理解による非難もあって孤立して苦しんでいます。そのことがお子さんへの対応に好ましくない影響を及ぼし、悪循環に陥ることもよくみられます。ADHDの心理社会的アプローチでは、お子さんだけをその対象とするのではなく、保護者の方に対しても同時併行で行われます。保護者がADHDを正しく理解し、その対処法を学んでいると治療効果が持続しやすいこともわかっています。そのために、ADHDについての正しい知識や理解、適切な対処方法を教示される心理教育はとても有意義です。また、より一層深くADHDのお子さんとの関わり方を知ることのできる方法として、最近では「ペアレント・トレーニング」を行う場も少しずつ増加しています。
これらの心理教育やペアレント・トレーニングは、一般的に集団療法として行われます。そこでは単に「教えられる」だけでなく、「同じ思いを共有できる他の保護者と出会って話し合える」というピアカウンセリングの意義もあります。

ペアレント・トレーニング ~保護者がADHDを理解し、対応のコツを学ぶ

ペアレント・トレーニングでは、ADHDのお子さんをもつ親が集団で取り組む方法です。保護者がADHDをよく理解し、ADHDのお子さんの行動を行動療法の面からコントロールする技法を獲得することを目的としています。ADHDのお子さんをもつ親がお子さんとの向き合い方を工夫することによって症状の改善を図ると同時に、親が抱えてしまいがちな自責的な感情を和らげるといった効果があります。
一般的なペアレント・トレーニングは、10回程度のセッションを1クールとして行います。ADHDについての理解と、行動療法に基づいたお子さんへの対応の仕方やコツを、ときにロールプレイングをはさみながら実践的に学び、実際に家庭で応用した結果をフィードバックさせながら、お子さんにあった対処技法を身に付けていきます。
ペアレント・トレーニングを受けられる場所はまだそれほど多くはありませんが、専門の医療機関、児童福祉機関、教育機関や家族会、NPOなどで行われています。

学校や周囲のサポート

お子さんが多くの時間を過ごす教育現場での治療教育的対応は、治療上最も重要なものの1つです。理想的としては、ペアレント・トレーニングで習得するADHDのお子さんへの対処技法を担任の先生も身に付けて指導にあたってもらうことがベストですが、そのような対応がとれる教師や環境は限られているのが現状です。しかしながら、ADHDのお子さんと接する時間が圧倒的に多い学校関係者へのアプローチは不可欠ですし、大変重要です。
教育現場と家庭とが一貫してお子さんに向き合っていくために、親、教師、医師などの関係者全員で治療の重要性を理解し、お互いに情報交換を行って適切な対応がとれるような連携・支援体制を築いていくことが求められます。

ADHDのお子さんに配慮した学習指導や環境調整を

ADHDのお子さんは、多動や集中力が欠如しがちなため、学力の遅れや集団参加でのトラブルを抱えることが多くあります。よって、教師はADHDの児童に対して特別な配慮を行い、なるべく混乱しないように段階的な学習指導をしたり、学習に遅れがみられる場合には個人指導を行うことが必要です。また、混乱を引き起こしたり、注意が散漫になるような刺激からADHDの児童を遠ざけるよう教室の配置を工夫しましょう。常に教師のそばに座らせて行動を見守り、教示しやすくするといった環境調整を行うことも大切です。ただ、ADHDの児童は、管理しようとしすぎると反抗的になりやすいという傾向もありますので、そのことを心得たしなやかな取り組みが求められます。
学校での行動面や学業面での変化の情報は、次の治療ステップの重要な判断材料になりますから、学校や担任の先生との密接な連携がとても重要です。

大人のADHDを学べて、上手に付き合えるヒントもまとめています。

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